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「戦略がすべて」の読書メモ

新潮新書から出版されている瀧本 哲史 著「戦略がすべて」を読んで、主に自分で再利用するためのアウトプットです。

この本は、コンサルティング講師やYouTubeでの発信で活躍なされている髙松さんがおすすめ本として紹介されていた中にあった本

www.kanataw.com

の内の1冊です。

この本は日経プレミアPLUSで連載されていた「瀧本哲史の時事評論」や新潮45連載「逆張り(コントラリアン)日本論」をもとにしたものということで、瀧本氏を通して社会をどう体系立てて戦略的に考えたか、をオムニバス的にまとめた本という印象を受けた。

特に頭に入れておくべき章は、
1.「戦略」を持てない日本人のために
2. コケるリスクを排除する―AKB48の方程式
の2箇所だと感じた。

1. 「戦略」を持てない日本人のために

いちばん最後の章ですが、この章で戦略とは何であり、なぜ戦略が必要なのか私にとって腹落ちする書き方で説明されていたので覚えておきたいと思った。
もう少し卑近な肉付けすると次の画像の通りかな、というイメージ。 f:id:masato_613:20201024231720p:plain

2. コケるリスクを排除する―AKB48の方程式

AKB48の方程式では、あとの章でも何度も使われているプラットフォーマーの考え方が書かれている。
つまり、まずはプラットフォーマーとなり、その土俵の上でいかに価値を創発させるようネットワークを作り出すか、が競争で勝つ上での要諦であるという考え方が紹介されていている。
この考えを踏まえた上で読みすすめると、後の章は同様のロジックが普遍的に使えそうである、というケーススタディをたくさん経験するような読み方ができると感じた。

この普遍的な考え方とは別に、AKB48の方程式で語られていた「3つの壁」は個人的な背景もあって印象深かった。 私自信、労働市場価値については組織を動かす側はどういうロジックで考えているか探っていたためでもあるが。。。 この「3つの壁」はより生々しく表現するなら3つの壁は「利益をあげる上での3つの不確実点」と言い換えられると感じた。私はこの「3つの壁」を組織に属する側の視点で次のように咀嚼してみた。

1.誰が売れるか不明
自然淘汰による選別とまとめ売りシステムによる提供サービスの均質化で対応
⇒マーケットの反応と各人の成長努力により自然と選別が進み、競争が起こるのは必然となる

2.稼働率による頭打ちが起きる
→客に対して魅せる必要があるワークと客からは隠れて見えないワークを分離し、スタープレイヤーを客魅せワークに集中させる
⇒必ずスタープレイヤーとそれ以外でキャリアの歩み方が変わる組織とならざるを得ない
これはBarabasiが"The Formula: The Universal Laws of Success" www.amazon.co.jp

でも述べている通りでスタープレイヤー側になる程、さらにスター度を押し上げるダイナミクスが組織として働くと言及されていた部分にも通じるな、と感じた

3.契約/被契約関係パワーバランスが崩れる
→所属する組織からのブランディングレバレッジする仕組でパワーバランスが常に保たれるようにする
⇒組織ブランドがある前提の戦い方しか知らないと、労働市場へ出た時に組織ブランドを使う前提の領域へ戦場が狭まってしまう

この本、このコケるリスクを排除するの章で見える通り別の立場での視点からカットし直すと別な味が出そうな本なので、少し時間をおいて内容を反芻しようと思います。